2007年 10月 14日
Wolverhampton駅です。London Euston駅からVirgin Trainに乗ってここまで来ることができます。何度もいいますが、Virginの週末ダイヤは平日とは全然違い、本当に酷いのです。一般の往復券、Standard Open Returnだと価格は倍以上しますので週末移動される方はSaver Returnという割引日帰往復券を購入します。平日も9時半以降の電車であればこの割引券が利用できます。 Wolverhampton駅は小さく、出口をでたら目の広がるバスターミナルを左手に見ながら越え、Lichfield Street 通りをひたすらまっすぐ進みます。 少し入り組む大きい交差点を越えてさらにまっすぐに進むとやがて右手にこのSt Peters教会が見えます。まだスタジアムまでは距離がありますが、簡単にいうとスタジアムはこの教会の裏手です。 教会の裏手に回ると大きな自動車通、St. Peters Ring Roadの向こう側にスタンドの屋根が見えます。あとはスタジアムに向かうだけ。自動車道を横断しなくても、ちゃんと地下遊歩道があります。 地下遊歩道をくぐるとすこは既にWolvesの世界、Molineux Groundが現れます。Steve Bull StandとJack Harris Standがお出迎え。その周囲は試合日にはたくさんの飲食屋が店を広げます。オレンジではなく、クラブのカラーは「ゴールド」です。 手前がJack Harris Stand。Jack Harrisはどうも以前のクラブ役員だった方のようですね。こちらの外観は駐車場もあり、周回できませんので、ここから反時計周りに周回します。 バックスタンド、Steve Bull Standです。Steve Bull。Wolvesで1986年から13年間プレイした伝説的プレイヤーで、18回のハットトリックを含む250ゴールをたたき上げたそうです。2003年にスタンドに彼の名前がつけられました。さてここは1階がアウェイ席、2階がホーム用席となっています。試合によってはゴール裏がビジター席になることもあるそうですね。 反対側のゴール裏、Stan Cullis Standです。この中央に1つの銅像があります。スタンドに名前がついている彼、Stan Cullisのものです。1934年から13年間在籍し、152試合に出場しました。FAカップ準優勝、やリーグ2位を2度経験、現役時代にはタイトルには縁がありませんでしたが、引退後すぐに監督に就任すると、リーグ優勝3回、FAカップタイトルを2回征し、名称という名を築きました。2001年に84歳で他界、2003年にこのスタンドに彼の名前が命名されたそうです。 Stan Cullis 像を越えていく角にグッズショップがあります。訪問したのはシーズンが開幕当初、それにしてもこの客の数は半端じゃありません。入るまで外の行列が続きます。中はそれに応えるかの如く、充実した商品。オレンジ、いえゴールドという難しいカラーも見事なデザインがクラブカラーの素晴らしさを引き立て、購買意欲がそそられます。 最後にやってきたのがメインスタンド、Billy Wirght Standです。全スタンドにクラブの偉人の名前がつけられたスタジアムは星の数ほどあるイングランドのスタジアムでも唯一のはずです。 このスタンド中央にもBilly Wrightの銅像が中央にあります。Billy Wright、1939年から(戦時中の中断期間を含め)20年間クラブに所属、Stan Cullisとの確執も彼の引退とともに和解、その監督とともにWolvesの黄金期を築き上げました。イングランド代表キャップ105、引退するまで90試合の代表キャプテンを務めたそうです。これはボビー・ムーアにならぶ歴代トップの数字、おそるべき数字です。英雄も癌には勝てず、1994年、70歳で亡くなったそうです。 さて、ここから中に入ります。コンコースは狭く、ハーフタイムは身動きが取れなくなります。この国では当たり前といわれればそれまでですが。ブロックむき出しの壁までクラブカラー色に統一。本当にこの色へのこだわりがあるのですね。 席に着きました。位置はゴール裏、Stan Cullis Standに近いクルヴァ位置でした。イングランドのフットボール専用グラウンドの場合、この位置だと反対サイドでプレイは大抵観客の頭が邪魔なので皆立ち上がってしまうのですが、ここはそんな心配はありません。中央部はピッチとスタンドがやや離れた、劇場のようなV字型をとってくれているので、この席でも真正面から試合を見られます。この写真はクリックすると拡大されます。 ゴール裏、Stan Cullis Stand、位置から見てこちらが本来のホームゴール裏のはずが、反対側の方が熱いようです。手前に車椅子用の席が用意され、たくさんの方が観戦していました。この写真も拡大されます。 反対側ゴール裏、Jack Harris Standです。ここは本当に熱い。スタンドが2階に分かれると温度差がでるのですが、ここは一つの層。半端ではないチャントの声量がピッチにぶつけられます。これも拡大されます。 バックスタンド、Steve Bull Standは1階席がアウェイ席、試合によってかわるようです。この日の試合はBlackpool戦、たくさんのサポーターが駆けつけました。写真ではわかりにくいでしょうが、彼らのカラーはオレンジ。その色と比較すると確かにWolvesのが「オレンジではないな」と納得できました。でもゴールドというよりは「やまぶき色」に近いです。これも拡大されます。 これは私の座ったメインスタンド、Billy Wirght Stand。私の居た席の近辺は少し空席があり、誰も居ない列に移動してゆったりと試合観戦してしまいました。このスタジアムも拡張の話があり、条件としてはプレミア復帰だそうで。大きく見えるスタンドですが、3万人に満たず、決して十分なキャパシティではないとのこと。この統一感ある雰囲気を維持してくれるならいいけど、そうでないならプレミアにいってまで変えてほしくないなあ(と他人事だからいえるのですが)。 06/07シーズンはプレイオフで涙をのみましたが、訪問した新シーズン、ファンは当然のごとく自分たちの我が家にやってきて、圧倒的雰囲気を作り出していました。そしてこのチームカラー、とても気に入りました。4人の偉大なクラブ功労者に見守られる「劇場」という名がふさわしい形状のスタンド、そこから創り出される分厚い、やまぶき色のサラウンド。今でも心に、そして耳に残って離れません。 Molineux Ground Waterloo Road, Wolverhampton, WV1 4QR 29,494人収容 Record Attendance 61,315人(1939年2月11日) BR、Wolverhampton駅から徒歩10分 Stadium Guidanceメインページへ
by m-mizoo
| 2007-10-14 07:09
| Stadium Guidance
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アバウト
Profile
1967年生まれ。94年国立で行われた浦和対読売戦を機に浦和のサポーターとなる。
2000年のJ2全国行脚から本格的に関東以外のアウェイにも参戦。この頃からCurvaに移動して応援するようになりました。 2004年9月から3年間ロンドンに赴任。2007年10月に帰国しました。 カテゴリ
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浦和仲間George Worst氏のサイト。浦和以外にヲタ状態に陥り、更新もまったくなくなりました(笑)。 Urawa Stadium Hijackers そのGeorge師匠のもう1つのサイト。私のStadium Guidanceもそうですが、アウェイ記を紹介するサイトに少なからぬ影響を与えたのは間違いないはず。でもこちらも現在は凍結中です。 Urawa Reds Notebook 浦和仲間、Shigeさんのサイト。タイトルの写真を使用させてもらいました。先日ブログの方に移行。私も到底かなわない熱いサポートで、全国、そしてアジアを駆け回ります。 Urawa Reds Supporters Media Site 以前の国立参戦時によくここを楽しみにしていました。2003年ナビ決勝は必見。最近はアウェイ映像も拝見でき、うれしい限りです。ロンドンにいる私にとっては浦和スタイルを把握する上で欠かすことのできないサイトです。 スコットランドから浦和を思う 2007年6月まで英国に在住した浦和仲間、gersさんのFootballブログです。真似できない観戦数とそのクラブの丁寧な紹介、Footballを取り巻く環境の徹底的解説は読み応え十分です。 最新のトラックバック
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