人気ブログランキング | 話題のタグを見る
2007年 05月 28日
今週の逸品 089
今週の逸品 089_e0043025_5271097.jpgプレミアの最終節、ボルトンに行ったというのは先日 Football in Europe の方で紹介した通り。飛行機を利用してまで向かったのは、ボルトンでの一戦を見ることの他に、ここを訪問できるチャンスだと思ったからなんです。

 プレストンにある、 National Football Museum、そうです。国立のフットボール博物館です。
 ロンドン在住(もう本帰国されたの?)の島田佳代子さんの著書、「I Love 英国フットボール」にて紹介され、是非イギリスにいる間に行かなくては、と常日頃思っていたのでした。
プレストンはイギリスにおけるプロサッカーリーグの初代王者だったので、それを記念し、この地に博物館ができたそうです。日本だったら鹿か川崎にあるようなものですか。

今週の逸品 089_e0043025_5274246.jpg 博物館はプレストンのクラブチーム、Preston North End の本拠地、Deepdaleに隣接しています。プレストン駅からは徒歩30分です(後日スタジアムガイダンスの方で紹介できればと思います)。

 入場は無料と聞いていたのですが、入口には不審者を見るような目で睨むおねえちゃん2人。恐る恐る「入っていいですか?」と聞くと笑顔になり、ガイドブックをくれました。なんだ、だったら最初から笑顔振りまいてよ。

今週の逸品 089_e0043025_5283488.jpg 入口には先日亡くなったアラン・ボール氏を偲び、記帳するコーナーをはじめ、ベッカムが2002年に骨折した際にみんなで復活を祈願して記入したという巨大ギブス、ガスコインが96年のユーロ、対スコットランド戦で魅せた豪快なボレーシュートの時のウェンブリーゴールポスト(本当かいな)などがお出迎え。

・・・とここだけでも十分見ごたえはありますが、これからが本番、さあ中に入っていきます。

今週の逸品 089_e0043025_5304932.jpg 1st half(前半戦)、2nd Half(後半戦)と階によって分かれており、当然ながら最初は1st、そのまま地上階に向かいます。最初はフットボールの殿堂、今シーズン選ばれた方の写真が掲載。ベンゲル監督も今年、選出されました。
 もうありとあらゆる物が逸品状態。とてもここで紹介しきれません。ということで、サイトにも載っている、これを見なければ損をする10点という、逸品を中心に紹介します。

今週の逸品 089_e0043025_5331230.gif まず歩いていくと、まずはフットボールの歴史をどんどんさかのぼっていき、最後はフットボールの起源は?という一角に行きつきます。そのひとつとして日本の蹴鞠も立派に紀元の一つとして挙げられていました。この蹴鞠の絵はがきまでお土産で売っていたりしますよ。日本でもそんなもの、手に入らないでしょうね。(逸品ネタにしなかったのはちと後悔??)

今週の逸品 089_e0043025_5354818.jpg

 1966年、W杯イングランド大会、イングランド優勝した大会のジュール・リメ杯。「え?ホンモノ?」と一瞬驚きましたが、当然ながらレプリカ。本物は盗難に遭い、溶解されたといわれていますよね。後にも先にもイングランドのワールドカップでの栄光はこの1回です。今のところは、といっておきます。



今週の逸品 089_e0043025_5392414.jpg

1872年イングランド対スコットランド戦で着用したという、イングランドのユニフォーム。11月の試合で当時は2000人しか観客がいなかったそうです。毛糸製だそうで試合中に首の周りがチクチクしなかったんでしょうか、なんて余計な心配もしたくなります。でもしっかりとThree Lionsってのはいいですね。日本だったらチョンマゲに八咫烏って時代でしょ。ちなみに試合は0-0のドローに終わったそうです。



今週の逸品 089_e0043025_5434649.jpg
1956/57年、バズビー・ベイブスによるサインボールです。1958年のミュンヘンの悲劇で亡くなる前のサインボールですから、亡くなった選手も含んでいます。こんな記念品になるとは誰も思わなかったでしょう。世界一悲しいサインボールかもしれません。




今週の逸品 089_e0043025_5482952.jpg
ボールが続きます。1966年のワールドカップ決勝、イングランド対西ドイツの試合球です。これは本物。あの疑惑のゴールを生んだボールでしょうか。




今週の逸品 089_e0043025_5484981.jpg
1986年、メキシコワールドカップの決勝トーナメント準々決勝、イングランド対アルゼンチンでマラドーナが着用したユニフォームです。あの神の手ゴールと5人抜き伝説の試合のものです。私にとってこのワールドカップが最も印象に残っていますね。ああ、懐かしい山本アナの伝説の「マラドーナ!マラドーナ!」実況が聞こえてきそうです。


今週の逸品 089_e0043025_5491138.gif
1990年のパペットショーで一躍人気となったGeroge Best とPaul Gascoigneの人形。90年のイタリアW杯、ガッザの涙で一躍全国的に有名になったガスコインの人形が慌ててつくられ、テレビ番組のレギュラー人形として活躍したそうです。番組自体よくわからないのですが、それにしても怖いキャラですね。日本だったら間違いなく、本人から苦情が来るでしょう。


今週の逸品 089_e0043025_5495450.jpg
そして見学コースもとうとう終盤。なぜかこれも見なければ損をする10点に入っています。2002年、韓日ワールドカップ、リーグ戦、イングランド対アルゼンチンの試合球です。BeckhamがPKを決めたというだけのものですが、それだけアルゼンチンに勝ったことがうれしかったのと、イングランドはこれ以外にワールドカップではいい思いがないという表れなのかもしれませんね。



今週の逸品 089_e0043025_5502613.jpg随分と端折りましたが、ここを訪問する方のために本当に一部、ご紹介しました。上階は2ndハーフ。でも一部をそれほど特筆すべきものはありません(その一部はまたいつかの機会に)。
最後はお土産やコーナーで記念品を購入したり、ちょっとした飲食ができるスペースがありますので、昔懐かしい映像やお宝を見ながら、一服してもいいかと思いますよ。
ボルトンから電車で30分。ワンダラーズの試合観戦もあり、しかも日帰りコースだったので、十分な時間がなく残念でした。試合などなくてもこの博物館を訪問するだけでも十分満足できると思います。
 子供を連れた大人たちがそれぞれ思い入れのある時代に長い時間足をとめ、説明、展示品を見入る光景は、この国ならではのフットボールという深い伝統と文化を感じさせるものでした。

 ボルトンをはじめ、ランカシャー地方での観戦を検討されている方は、近いですから是非ここを訪問してください。一日中ここに居てもいいくらいのお宝、そして思い出満載の空間です。
Home


by m-mizoo | 2007-05-28 06:02 | 今週の逸品


<< FIFAマガジンの浦和特集記事です      今週の逸品 088 >>