2007年 05月 28日
プレミアの最終節、ボルトンに行ったというのは先日 Football in Europe の方で紹介した通り。飛行機を利用してまで向かったのは、ボルトンでの一戦を見ることの他に、ここを訪問できるチャンスだと思ったからなんです。 プレストンにある、 National Football Museum、そうです。国立のフットボール博物館です。 ロンドン在住(もう本帰国されたの?)の島田佳代子さんの著書、「I Love 英国フットボール」にて紹介され、是非イギリスにいる間に行かなくては、と常日頃思っていたのでした。 プレストンはイギリスにおけるプロサッカーリーグの初代王者だったので、それを記念し、この地に博物館ができたそうです。日本だったら鹿か川崎にあるようなものですか。 博物館はプレストンのクラブチーム、Preston North End の本拠地、Deepdaleに隣接しています。プレストン駅からは徒歩30分です(後日スタジアムガイダンスの方で紹介できればと思います)。 入場は無料と聞いていたのですが、入口には不審者を見るような目で睨むおねえちゃん2人。恐る恐る「入っていいですか?」と聞くと笑顔になり、ガイドブックをくれました。なんだ、だったら最初から笑顔振りまいてよ。 入口には先日亡くなったアラン・ボール氏を偲び、記帳するコーナーをはじめ、ベッカムが2002年に骨折した際にみんなで復活を祈願して記入したという巨大ギブス、ガスコインが96年のユーロ、対スコットランド戦で魅せた豪快なボレーシュートの時のウェンブリーゴールポスト(本当かいな)などがお出迎え。 ・・・とここだけでも十分見ごたえはありますが、これからが本番、さあ中に入っていきます。 1st half(前半戦)、2nd Half(後半戦)と階によって分かれており、当然ながら最初は1st、そのまま地上階に向かいます。最初はフットボールの殿堂、今シーズン選ばれた方の写真が掲載。ベンゲル監督も今年、選出されました。 もうありとあらゆる物が逸品状態。とてもここで紹介しきれません。ということで、サイトにも載っている、これを見なければ損をする10点という、逸品を中心に紹介します。 まず歩いていくと、まずはフットボールの歴史をどんどんさかのぼっていき、最後はフットボールの起源は?という一角に行きつきます。そのひとつとして日本の蹴鞠も立派に紀元の一つとして挙げられていました。この蹴鞠の絵はがきまでお土産で売っていたりしますよ。日本でもそんなもの、手に入らないでしょうね。(逸品ネタにしなかったのはちと後悔??) 1966年、W杯イングランド大会、イングランド優勝した大会のジュール・リメ杯。「え?ホンモノ?」と一瞬驚きましたが、当然ながらレプリカ。本物は盗難に遭い、溶解されたといわれていますよね。後にも先にもイングランドのワールドカップでの栄光はこの1回です。今のところは、といっておきます。 1872年イングランド対スコットランド戦で着用したという、イングランドのユニフォーム。11月の試合で当時は2000人しか観客がいなかったそうです。毛糸製だそうで試合中に首の周りがチクチクしなかったんでしょうか、なんて余計な心配もしたくなります。でもしっかりとThree Lionsってのはいいですね。日本だったらチョンマゲに八咫烏って時代でしょ。ちなみに試合は0-0のドローに終わったそうです。 1956/57年、バズビー・ベイブスによるサインボールです。1958年のミュンヘンの悲劇で亡くなる前のサインボールですから、亡くなった選手も含んでいます。こんな記念品になるとは誰も思わなかったでしょう。世界一悲しいサインボールかもしれません。 ボールが続きます。1966年のワールドカップ決勝、イングランド対西ドイツの試合球です。これは本物。あの疑惑のゴールを生んだボールでしょうか。 1986年、メキシコワールドカップの決勝トーナメント準々決勝、イングランド対アルゼンチンでマラドーナが着用したユニフォームです。あの神の手ゴールと5人抜き伝説の試合のものです。私にとってこのワールドカップが最も印象に残っていますね。ああ、懐かしい山本アナの伝説の「マラドーナ!マラドーナ!」実況が聞こえてきそうです。 1990年のパペットショーで一躍人気となったGeroge Best とPaul Gascoigneの人形。90年のイタリアW杯、ガッザの涙で一躍全国的に有名になったガスコインの人形が慌ててつくられ、テレビ番組のレギュラー人形として活躍したそうです。番組自体よくわからないのですが、それにしても怖いキャラですね。日本だったら間違いなく、本人から苦情が来るでしょう。 そして見学コースもとうとう終盤。なぜかこれも見なければ損をする10点に入っています。2002年、韓日ワールドカップ、リーグ戦、イングランド対アルゼンチンの試合球です。BeckhamがPKを決めたというだけのものですが、それだけアルゼンチンに勝ったことがうれしかったのと、イングランドはこれ以外にワールドカップではいい思いがないという表れなのかもしれませんね。 随分と端折りましたが、ここを訪問する方のために本当に一部、ご紹介しました。上階は2ndハーフ。でも一部をそれほど特筆すべきものはありません(その一部はまたいつかの機会に)。 最後はお土産やコーナーで記念品を購入したり、ちょっとした飲食ができるスペースがありますので、昔懐かしい映像やお宝を見ながら、一服してもいいかと思いますよ。 ボルトンから電車で30分。ワンダラーズの試合観戦もあり、しかも日帰りコースだったので、十分な時間がなく残念でした。試合などなくてもこの博物館を訪問するだけでも十分満足できると思います。 子供を連れた大人たちがそれぞれ思い入れのある時代に長い時間足をとめ、説明、展示品を見入る光景は、この国ならではのフットボールという深い伝統と文化を感じさせるものでした。 ボルトンをはじめ、ランカシャー地方での観戦を検討されている方は、近いですから是非ここを訪問してください。一日中ここに居てもいいくらいのお宝、そして思い出満載の空間です。 Home
by m-mizoo
| 2007-05-28 06:02
| 今週の逸品
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アバウト
Profile
1967年生まれ。94年国立で行われた浦和対読売戦を機に浦和のサポーターとなる。
2000年のJ2全国行脚から本格的に関東以外のアウェイにも参戦。この頃からCurvaに移動して応援するようになりました。 2004年9月から3年間ロンドンに赴任。2007年10月に帰国しました。 カテゴリ
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Guide for Stadium Hijackers
浦和仲間George Worst氏のサイト。浦和以外にヲタ状態に陥り、更新もまったくなくなりました(笑)。 Urawa Stadium Hijackers そのGeorge師匠のもう1つのサイト。私のStadium Guidanceもそうですが、アウェイ記を紹介するサイトに少なからぬ影響を与えたのは間違いないはず。でもこちらも現在は凍結中です。 Urawa Reds Notebook 浦和仲間、Shigeさんのサイト。タイトルの写真を使用させてもらいました。先日ブログの方に移行。私も到底かなわない熱いサポートで、全国、そしてアジアを駆け回ります。 Urawa Reds Supporters Media Site 以前の国立参戦時によくここを楽しみにしていました。2003年ナビ決勝は必見。最近はアウェイ映像も拝見でき、うれしい限りです。ロンドンにいる私にとっては浦和スタイルを把握する上で欠かすことのできないサイトです。 スコットランドから浦和を思う 2007年6月まで英国に在住した浦和仲間、gersさんのFootballブログです。真似できない観戦数とそのクラブの丁寧な紹介、Footballを取り巻く環境の徹底的解説は読み応え十分です。 最新のトラックバック
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