2007年 02月 26日
昨日からの続きです。ポーランド、ワルシャワにある名門クラブ Legia(レギア)の本拠地、 Stadion Wojska Polskiegoに何とか無事到着、会場の全貌が見えないので、スタジアムからは離れる格好で一旦引き返し、反対側に向かうために大きな通りに出たときの事です。 スタジアムもない、工事現場のような界隈に突然、「Football Shock」という看板のプレハブ小屋、いえトラックのコンテナそのままのお店が見えるではないですか!しかも店内は明かりが灯っていました。 「こんな誰も人なんて通りらない所に。な、中に人が居る!5時をまわっても営業しているぞ!トントン開けてください!」 ・・・おとぎ話じゃないのですが、悴んだ手足に、硬直した身体でここまでたどりついた身。そんな心境も想像いただければ。。 中は6畳間に店員のオヤジが1名、そこに所狭しとグッズが乱列、同じ種類はなさそうな、骨董品、というかコレクターの方のお宅訪問をした様な世界でした。何を選んでいいものかわからず、オヤジと俺との緊迫した雰囲気にAMラジオの声が店内に空しく響き渡る、倉本聡脚本の世界。そんな張り詰めた空間がしばらくの間続きました。 ここまで来て買わないわけにはいかないし、買わずに帰れる状態でもない。しかもこれだけオヤジの視線が痛いと写真も撮れる状況ではありません。ということで、あるグッズを手に取り、レジに行く、というか単に横にいる彼に商品を手渡したのでした。 「どうせ今日も何も売れない」そうオヤジは思っていたのでしょう。ところがこんな閉店前にインチキ東洋人が突然来て、グッズを買って帰るとは予想もできぬ出来事。このオヤジこそ、おとぎ話の世界が実現したと思ったのではないでしょうか。ここからは空気が一転、私がまるで白馬にまたがった王子様のごとく、ありったけの笑顔で清算を始めました。 (オヤジ)「じゃあこれだけマケますよ」 (俺)「え?本当、じゃあこれも買います」 (オヤジ)「ええっ? ありがとう。じゃあこれもおまけにつけるから」 (俺)「本当ですか? ありがとう」 ポーランド語しか話さないおじさんとのコミュニケーションでしたが、だいたいはこんな感じ。「写真撮ってもいいですか?」のお願いも快諾、無事写真も撮影できたのでした。おじさんの写真も撮らせてもらうとこんなポーズまで。。 最後にこんな質問をしてみました。 「クビツァって知ってますか?」 ここはポーランド、つまりアンジェイ・クビツァの故郷なのです。 アンジェイ・クビツァ。彼はたった1年でしたが、我々、いえ私にとっては忘れられないFWの一人。あの仙台でのVゴール、全力疾走で浦和サポまで駆け寄ったあのシーンは忘れられません。 彼は今地元ポーランドにいるのですが、残念ながら彼の所属チーム、グルニク・ウェンチナ (Górnik Łęczna)はワルシャワから遠い都市に所属しています。しかし彼の経歴をみてください。そう、95年に彼はここ、レギアに所属していたのです。名門クラブという以外にここを訪問したいという理由の一つは彼の元所属チームだったからなのでした。 英語が全くわからず、おまけに彼はわずか数ヶ月で退団しているため、おじさんは「クビツァ」と言われても何の事かわからなかったようです。 ちょっと残念でしたが彼が少しでも過したこの地を訪問できて本当に満足できました。思いがけず、素敵なショップにも出会えたし。 さて、おじさんに丁寧にお礼をいい、お店を出て、スタジアムに向かいました。もう6時近く、真っ暗。 ぐるりと回るとスタジアムの立派な入場ゲートがあることが判明。しかし、ここもゲートは硬く閉じられ、警備員が居る様子。「中に入っていい?」と聞くも、即「No!」の回答。ここは軍隊のチームだし、突破は生命に関わるので、あきらめて帰りました。 後から判明したのですが、ここは、サイトまでしっかり持っているレギアを中心としたグッズショップだったのですね。市内の観光場所でもレギアのスカーフくらいは売っていますが、ここまでの商品充実度はないでしょう。 さて、今回購入した商品というのがこれ。レギアの子供用ジャージとペナントでした。「え?たったこれだけ?」と思うかもしれませんね。でもこれだけでも2,3千円。パチもんではありません。日本で考えればまあ値段相応なんでしょうが、ポーランドではかなりの高級品だったはず。おやじも予想外の収入で喜んだのも判ります。で、お礼にもらったのがカレンダーなのでした。テロテロですが金具もついたしっかりした製品。もう2月でこれ以上売れる事はないと判断した値崩れ品なのかもしれませんね。うれしいお土産となりました。 でもこれが今週の逸品ではありません。オヤジに断ってでも撮影したかったのは実は店内でもオヤジ自身の写真でもなく、これだったのでした。 クラブチームが商品にするのはここだけ?オフィシャル(?)商品、レギア・ガードル。 しかもサイズ1種類って試着できるの?するの?どうするの? ・・・・ここまで引っ張って下ネタがオチかよ。最低、すんません。。 Home
by m-mizoo
| 2007-02-26 07:41
| 今週の逸品
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アバウト
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1967年生まれ。94年国立で行われた浦和対読売戦を機に浦和のサポーターとなる。
2000年のJ2全国行脚から本格的に関東以外のアウェイにも参戦。この頃からCurvaに移動して応援するようになりました。 2004年9月から3年間ロンドンに赴任。2007年10月に帰国しました。 カテゴリ
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Guide for Stadium Hijackers
浦和仲間George Worst氏のサイト。浦和以外にヲタ状態に陥り、更新もまったくなくなりました(笑)。 Urawa Stadium Hijackers そのGeorge師匠のもう1つのサイト。私のStadium Guidanceもそうですが、アウェイ記を紹介するサイトに少なからぬ影響を与えたのは間違いないはず。でもこちらも現在は凍結中です。 Urawa Reds Notebook 浦和仲間、Shigeさんのサイト。タイトルの写真を使用させてもらいました。先日ブログの方に移行。私も到底かなわない熱いサポートで、全国、そしてアジアを駆け回ります。 Urawa Reds Supporters Media Site 以前の国立参戦時によくここを楽しみにしていました。2003年ナビ決勝は必見。最近はアウェイ映像も拝見でき、うれしい限りです。ロンドンにいる私にとっては浦和スタイルを把握する上で欠かすことのできないサイトです。 スコットランドから浦和を思う 2007年6月まで英国に在住した浦和仲間、gersさんのFootballブログです。真似できない観戦数とそのクラブの丁寧な紹介、Footballを取り巻く環境の徹底的解説は読み応え十分です。 最新のトラックバック
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